事業承継の成功・失敗の実例から学ぶ、M&A成功の条件とは:M&A成功事例/製造業のケース(第2回/全2回)

事業承継の成功・失敗の実例から学ぶ、M&A成功の条件とは:M&A成功事例/製造業のケース(第2回/全2回)

第2回:トップ面談、成年後見人申請、事業承継へ

売り手・買い手双方の提示条件とM&A成約
売り手A社の提示条件: 譲渡金額合計9,500万円
・株式譲渡金額:6,000万円
・A社長居住中の会社名義社宅を、A社長個人への名義変更(時価:3,500万円分)
・銀行借入個人保証の解除

買い手B社の提示条件: 譲渡金額合計6,000万円
・株式譲渡金額:2,500万円
・A社長居住中の会社名義社宅を、A社長個人への名義変更(時価:3,500万円分)
・銀行借入個人保証の解除

株式売買代金を2,500万円、実質譲渡金額合計6,000万円であれば即決すると、両社条件は大きく分かれました。
一刻を争うA社の状況から、両社に歩み寄ってもらうほかないと覚悟を決め、先ずは譲受会社B社長に事情を説明し7,000万円で了解を取りつけ、その足で譲渡会社A社の交渉窓口である次女のaさんに、これで破談になった場合、清算するのは事実上不可能で、最悪の場合は破産の可能性もあることを説明し、この短期間に継承してくれる会社があることは幸運であることを理解してもらえました。
(譲渡会社の成功ポイント:柔軟な対応、譲渡条件には幅を持て)

株主・代表者が認知症になると、判断能力の低下による不利益を避けるため後見人を立てる必要があり、既に裁判所に成年後見人申請をしていたのですが、予定通り後見人が決まらず基本合意が出来ない状況でした。

M&Aでは予期しない事が起こることはよくあります。譲受会社B社長は日増しに悪化するA社の業績を懸念したため、状況の理解を得るのに難航しましたが、事情を熱心に説明し理解を求めていきました。次女aさんはB社長に誠実に説明するのと同時に、担当アドバイザーに秘かに譲渡金額を更に下げてでも、成約させて欲しいと言ってきました。後見人選任は、結局予定より1ヶ月半遅れました。

先ずは後見人にM&Aの一連の経緯などを書面、口頭にて事情を説明し、そして今度は後見人を通じて裁判所に説明し、了承を取り付けてようやく基本合意書、正式契約書締結という流れになります。弁護士といえども、M&Aや財務に関しては全くの素人で説明にはかなり苦慮しましたが、好意的に協力して頂き、無事承諾を得る事が出来ました。その間、次女aさんが誠実に譲受会社B社長に状況を説明したこともあり、B社長は次女aさんを信頼し、譲渡金額の引き下げを要求することなく契約してもらうことができました。
結果として、相談を受けてから成約まで交渉成立は3ヶ月、後見人、裁判所の承諾で3ヶ月の計6ヶ月かかりました。
(第2回終/全2回)

第1回:事業承継の成功・失敗の実例から学ぶ、M&A成功の条件とは:M&A成功事例/製造業のケース(第1回/全2回)

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