訪問介護・居宅介護事業会社6/7:事例3:「こうして私は会社を売却しました。」中小企業のM&A実例

「こうして私は会社を売却しました。」中小企業のM&A実例/事例3:訪問介護・居宅介護事業会社のケース(第6回/全7回)〜従業員を託すのに最良な買い手を求めて〜
「戦略上の理由から会社を譲渡」

3)筆者による回想録及び分析

(1)M&A成功のポイント
【譲渡金額】
・譲渡金額は弊社算定の条件をベースに一任してくれた。
算定根拠は財務数値を基に算出するが、対象会社の業績推移と将来予測、業界動向など様々な視点から、両社にとって納得できる金額を算出した。

・譲渡金額で駆け引きをしなかった。
最初は高めの金額を設定して、交渉に応じて値段を下げるというやり方は取らなかったこと。最初からベストな金額で駆け引きはなしという姿勢を貫いた。

【M&Aニーズが高い業種】
・比較的M&Aニーズが高い業種の為、複数の候補先が譲受を希望した。

【社長の人間性】
●誠実で、当社との信頼関係が強固だった。これだけは譲れないという条件を明確化し、それ以外の条件については当社に一任してくれた。
・従業員を同じ雇用条件で引き続き雇ってくれることが譲れない条件だった。
・他の条件は柔軟性があったものの、最終的には好条件で調整が出来た。
・誠実さ:役所への指定事業者申請手続きを手伝う等、譲受会社に対し協力を惜しまなかった。

(2)M&Aに向けて問題となったこと
●M&Aにとって最重要テーマである情報開示の質が悪かった。成約まで時間を要した最大の理由。
・A社の社内管理体制不備により情報開示資料が乏しかった。
・情報開示が悪いと譲受希望会社の信頼を得ることが出来ない。

●基本合意までに時間がかかり、結果的に複数社と交渉することになった。
・売り手の譲渡希望時期が交渉当初の話と変更になり数ヶ月ずれこんだ為、譲受候補先にとって、譲渡会社への信頼感が崩れることになり、話がまとまらなかった。
・譲受候補先の資金提供者が合意直前に譲受を中止するというアンラッキーがあった。

●事業譲渡の為、利用者との契約を再度締結し直す必要があり、買い手が、再契約が順調にいくか懸念した。

●基本合意後、ハプニングがあった。
・事務所の家主を紹介してくれた不動産会社がM&A経験がなく理解を得るのに苦慮した。
・買い手は、新規参入で介護事業の知識が不足していた為、役所への指定事業者申請手続きで売り手の手助けが必要だった。

M&Aでは、完了までに段階毎に注意しなければならないポイントがあります。弊社のような仲介会社が間に立ってアドバイスする事で、段階毎に発生しうるリスク要因を回避することができます。また、ハプニングが起こった場合でも、最善策をご提案し、問題解決を図ることが出来ます。
(第6回終/全7回)
中小企業のM&A実例/事例3:訪問介護・居宅介護事業会社のケース(第1回)
中小企業のM&A実例/事例3:訪問介護・居宅介護事業会社のケース(第2回)
中小企業のM&A実例/事例3:訪問介護・居宅介護事業会社のケース(第3回)
中小企業のM&A実例/事例3:訪問介護・居宅介護事業会社のケース(第4回)
中小企業のM&A実例/事例3:訪問介護・居宅介護事業会社のケース(第5回)
中小企業のM&A実例/事例3:訪問介護・居宅介護事業会社のケース(第7回)

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