英会話スクール6/7:事例1:事業部売却!M&Aによる企業再生の道

連載「事業部売却!M&Aによる企業再生の道」
●本業の柱であった事業部門を売却しこれから伸びる事業部門の経営資源にあてた事例:英会話スクールのケース(第6回/全7回)
〜マンション投資事業に注力するため、本業の英会話スクールを売却〜

紛糾した従業員発表
ところが、譲渡完了後の従業員発表でのことです。英会話スクール事業の従業員・講師達を前に、売り手A社長がB社長への社長交代を発表し、B社長が初めて従業員たちに挨拶をすることになるのですが、その場でB社長は「今は変革の時代。A社の英会話スクール事業を新しく変えていき、皆で再生させよう」と演説さながらに熱く語ったのです。B社長には弊社から、従業員発表では(1)従業員を大切にしていく姿勢を示してほしいこと、(2)先ずは従来のやり方を踏襲していくこと、を伝えてほしいとあらかじめアドバイスしていましたし、学習塾のM&Aを何度も経験してきたB社長にしては珍しく、かなり思い切った内容の挨拶でした。

「今までのやり方と違って自分の色に変えていく」という趣旨の新社長挨拶により、従業員は紛糾します。従業員にとっては、いきなり新しい社長だと言って現れた見ず知らずのB社長が「今までのやり方を変えていく」と言うのですから、「これからは今までの給与も下げられるに違いない」等、ネガティブに捉えたようでした。

これには、同席したA社長も困惑しました。A社長は、なかでも外国人講師達のリーダー的存在であるC氏の動向を非常に心配しました。C氏は講師としても人気があり、C氏のレッスン生は数も多く、長期間受講する傾向にあります。スクールのキーマンであるC氏が辞めてしまうと、生徒の流出で経営的に打撃を受けるだけでなく、彼が束ねてきた外国人講師達の流出も懸念されるからです。

A社長は、このままでは英会話スクール事業そのものが破たんしかねず、B社長に迷惑をかけてしまうと、M&Aの引き継ぎ期間中、C氏と面談を重ねます。C氏も、A社長がB社長の温厚な人柄や、B社学習塾チェーンが従業員を大切にする会社であること等を話すと、非常によく理解をしてくれました。そしてC氏は従業員発表で衝撃を受け、辞める方向に傾いた一部の講師や従業員に対して、慰留するよう説得をしてくれたようです。おかげで、従業員や講師の流出もありませんでした。
(第6回終/全7回)


事業部売却!M&Aによる企業再生の道/事例1:英会話スクールのケース(第1回)
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