ビルメンテナンス4/6:事例2:M&Aの実例
●M&Aの実例
【第2回】ビルメンテナンスのケース
多角経営失敗、本業回帰の為に会社分割
〜金融債務圧縮による会社存続に成功〜
M&Aのスキーム構築とA社グループの組織再編の可能性模索
銀行借入の圧縮と社内から後継者を指名するには2つのハードルをクリアする必要がありました。それは、M&Aの成功と社内後継者への事業承継に対する税務問題です。
そこでグループ内の組織再編を弊社から提案しました。高値での譲渡を実現するために、グループ内の事業をgood事業とbad事業とに分けて精査し、good事業を売却し、そのキャッシュで銀行借入金を圧縮し、現在あるグループ会社4社を統合させ1社にする事で繰越欠損金の活用を可能にし、また株価評価を下げることで社内承継に対する大幅な節税対策の提案をしたのです。
good事業とは内装設備会社のビルメンテナンス事業です。古くからの顧客も多く、地元では非常に知名度が高い優良事業で、今やグループ内の最大の大黒柱でした。しかし、多額の借入金を早急に圧縮する必要があることを鑑みると、優良事業を売却するという選択肢がA社存続に望ましい結果を生むこと、good事業売却後に予想される設計事業を柱としたA社の予想財務数値をA社長に具体的にご説明したところ、本業の設計事業をどうしても残したいというA社長の強い思いもあり理解していただけました。
(第4回終/全6回)
中小企業のM&Aの実例2:ビルメンテナンスのケース(第1回)
中小企業のM&Aの実例2:ビルメンテナンスのケース(第2回)
中小企業のM&Aの実例2:ビルメンテナンスのケース(第3回)
中小企業のM&Aの実例2:ビルメンテナンスのケース(第5回)
中小企業のM&Aの実例2:ビルメンテナンスのケース(第6回)